オトメの魔法
『君に,一目惚れを。付き合ってくれないか?』

王子様が女の子の前に膝まずきます。

右手をとられた女の子は目をパチクリ。

王子様が付き合ってだなんて,おかしいの。

けれど,女の子はパアッと笑顔になります。

一目惚れ。なんて素敵な響きなのかしら!

目の前にいるのは,紛れもない王子様。

女の子が憧れた通りのシチュエーションです。

ーえぇ! よろこん…

女の子は,最後まで言うことが出来ませんでした。

ーみ,水?! 一体どこから…王子様,王子様~!

目の前の王子様はさらさらと砂のように崩れて,謎の波に女の子は拐われます。

ーけほっケホッ

女の子がようやく押し寄せる水から解放されると,また別の知らない場所。

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