オトメの魔法
3人目は,いじわるな森のきこり
ーいっ…
ボスン。そう強く音を立てて女の子が放り出されたのは,またもや森の中。
ただ,今までよりずっと木が生い茂っています。
ーこれじゃあどこ行ったって場所が測れない。
帰り道も分からないのに,森の広さも分からない。
そんな女の子の頭上から,声が1つ。
『ねぇキミ,なにしてんの?』
優しいなんてものではありません。
そこには,興味の欠片もなさそうな声で,アクビをする人が女の子を見下ろしていました。
ーなにって…
何と答えればいいのだろう。
迷子ともまた少し違います。
『何でもいいけど帰ってよ』
つい,反発するように女の子は言いました。
ー帰り方が分からないの! どうしてそんなこと
『そこ,俺んちの庭だから』
ーえっ