オトメの魔法
やがて,静かな森に夜がやってきます。

女の子ときこりは,壁を背にして,床に座りました。

『ねぇキミ』

ーなぁに?

『俺と,付き合ってよ』

きこりが言います。

内緒話みたいな,告白でした。

少し,強引な感じもします。

女の子が驚いてきこりの方を見ると,きこりと女の子との間に,亀裂が走りました。

『うわっ』

ー待って!

きこりはその土地ごと,何処かへ運ばれていきます。

お互い手を伸ばすものの,指先は,掠りもしませんでした。

やがて,女の子は大きく揺れる土地に,気を失ってしまいます。

ーここ…は?

次に目を覚ましたとき,そこは今までと全く違う場所でした。
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