オトメの魔法
1人目の王子様
ーどこに行ってしまったの?
帰り方も分からない女の子は,不安で泣きそうになります。
もしかして,悪いうさぎだったのかしら。
そう心に思った時,女の子に大きな影がかかりました。
大きな馬の足。
女の子は目を丸くしながらも,その奥に見える男の人に目を奪われました。
息をひとつつく前に,
『危ない!』
大きな声がして。
今にも女の子を踏みつけそうな馬は止まりました。
ーなんて,格好いいの…!
まるで王子の様な彼の手には,馬の手綱がしっかり握られています。
知らないはずのその人の事を,女の子は直感的に
私の大好きな人。
そう思いました。
不思議に思いましたが,大した事でもありません。