午後11時、蝶にかける願い
(さてと、帰ろうかな……)
重野涼香は、講義終わりの教室で教科書やパソコンをまとめていた。教室を出て廊下を抜けキャンパスの出入り口に行くと、何やら人だかりができている。
「何書こうかな〜?」
「とりあえず落単回避な‼︎」
「それだったら教授に単位を促す舞でもしてろよ」
「え〜それウケるんだけど」
ワイワイガヤガヤと楽しそうな声が聞こえる。
少し目を凝らして見た先には、いくつものカラフルな短冊がついた笹が立っていた。
(……そうか、今日は七夕か。みんな楽しそうだけど、私なんかがあんなキラキラしたところに行くのは場違いだよね)
「……ふう」
涼香は小さくため息をついて大学を出ようとした。
「すずちゃん〜!おつかれ!」
遠くから呼ばれたので身体がビクッと跳ねる。
重野涼香は、講義終わりの教室で教科書やパソコンをまとめていた。教室を出て廊下を抜けキャンパスの出入り口に行くと、何やら人だかりができている。
「何書こうかな〜?」
「とりあえず落単回避な‼︎」
「それだったら教授に単位を促す舞でもしてろよ」
「え〜それウケるんだけど」
ワイワイガヤガヤと楽しそうな声が聞こえる。
少し目を凝らして見た先には、いくつものカラフルな短冊がついた笹が立っていた。
(……そうか、今日は七夕か。みんな楽しそうだけど、私なんかがあんなキラキラしたところに行くのは場違いだよね)
「……ふう」
涼香は小さくため息をついて大学を出ようとした。
「すずちゃん〜!おつかれ!」
遠くから呼ばれたので身体がビクッと跳ねる。