午後11時、蝶にかける願い
ニヤッと笑う麗華を横目に祐弥は静かに怒っていた。
「ごめん、急いでるから」
「え〜、つまんないの。まっ、あんな地味子よりミスコンにも出た私の方がお似合いだと思うけど!」
麗華はわざと大きな声で言い放った。その声が吹き抜けの建物に響く。
(──何なんだよあいつ……あ〜、いやいや、あんなのに構うだけ無駄だ)
祐弥は着替えを済ませて、足早に涼香を迎えに行く。
「すずちゃん、待たせてごめんね!」
涼香は俯いていた。
(まずい、さっきの聞かれてたか……?)
「とりあえず行こう」
二人はゆっくりとキャンパスから出る。
「先輩……すみません。こんな地味子じゃ嫌ですよね」
とぼとぼと歩く涼香の歩みが止まる。
「俺がそんなこと言ったことある?」
涼香の前に立った祐弥は、彼女の肩に手を置いた。
「ごめん、急いでるから」
「え〜、つまんないの。まっ、あんな地味子よりミスコンにも出た私の方がお似合いだと思うけど!」
麗華はわざと大きな声で言い放った。その声が吹き抜けの建物に響く。
(──何なんだよあいつ……あ〜、いやいや、あんなのに構うだけ無駄だ)
祐弥は着替えを済ませて、足早に涼香を迎えに行く。
「すずちゃん、待たせてごめんね!」
涼香は俯いていた。
(まずい、さっきの聞かれてたか……?)
「とりあえず行こう」
二人はゆっくりとキャンパスから出る。
「先輩……すみません。こんな地味子じゃ嫌ですよね」
とぼとぼと歩く涼香の歩みが止まる。
「俺がそんなこと言ったことある?」
涼香の前に立った祐弥は、彼女の肩に手を置いた。