捨てられたひよっこ聖女の癒やしごはん~辺境の地で新しい家族と幸せライフを楽しみます!~


「シルヴァの皆さんは魔物の毒を受けてしまったのですよね。毒を受けた人は苦しんでいますのでご飯を口にする余裕はないと思います」
『この間作ったベリーシロップを使うと良いよー。あれなら呑み込むだけだし大丈夫ー。それに解毒薬はとっても苦いから口直しに良いと思うー』
 ヴェントのアドバイスを聞いたリズは弾かれたように顔を上げた。

 良薬は口に苦し。リズも風邪で寝込んで薬を飲んだことがあるがその度に口の中に苦みが残って不快だった。シロップは甘いので良い口直しになるし、液体だから呑み込むだけで咀嚼する必要もない。
 それに薬以外の甘い物を食べれば少しは気力がわくかもしれない。
「妙案です、ヴェント。これなら私にもできるお手伝いですし。早速シロップを持って行く準備をします」
 自分の役割を見つけたリズは、イグニスにパジャマ姿を指摘されていたので一度部屋に戻って着替え始めた。

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