捨てられたひよっこ聖女の癒やしごはん~辺境の地で新しい家族と幸せライフを楽しみます!~
「どうしましょう。これでは飲ませることができません」
途方に暮れていると、ヴェントが肩にちょこんと留まって口を開いた。
『大丈夫だよー。メライアとリズだけだと人手が足りないと思ったから、みんなにもお願いしておいたー』
「みんな?」
はて。みんなとは誰のことだろう。
この要塞は慢性的な人手不足に陥っている。猫の手も借りたいほど忙しいのに、誰が手伝ってくれるのだろう。
きょとんとした表情を浮かべていると、イグニスが目の前にやってきて窓の外を指さした。
『みんなはみんなさ。僕たちを含む、リズを助けたい妖精たちのことだよ』
すると、窓からはたくさんの妖精が室内に入ってきた。
氷枕を作っていたメライアは驚いて悲鳴を上げる。
「きゃああっ! な、なんでこんなにたくさん妖精が!? 一体何が起こっているの?」
「メライア、妖精さんたちが手伝ってくれるみたいです」
「う、嘘? 妖精が?」