断罪された真の聖女の愛情たっぷり癒しご飯


「司教、これは一体どういうことですか? リズの作ったベリーレモネードを飲ませたら患者の紫色の痣が消えましたよ!」
 メライアは先程とは打って変わって、酷く興奮して、起きた現象について語る。
 痛み止めの薬を作っていたヘイリーは話を聞いて怪訝な表情を浮かべた。
「まさか。いやそんなはずは……」
 痺れを切らしたメライアはベリーレモネードを飲ませていない患者の身体を起こしてそれを飲ませた。紫色に浮き出ていた痣はゆっくりとではあるが引いていき、正常な状態へと戻っていく。


 ヘイリーは目を見張ると、自らもベリーレモネードに口をつける。それから少し考える素振りを見せたあと、患者全員にベリーレモネードを飲ませるように指示を出した。
 ベリーレモネードを飲ませたところ、全員が全員、紫色の痣も熱も引いてすうすうと穏やかな寝息を立てている。
 メライアは頬を紅潮させながら口を開いた。
「ね、ね? 私が言った通りでしょう? もしかしてこれは世紀の大発見なのでは!?」
 メライアはベリーレモネードには魔物の毒を解毒させる作用があるのではないかと考えている。
 ヘイリーはリズを一瞥すると口元に手を当てた。

「恐らくこれは……」
「司教!!」
 そこで言葉を遮るように大慌てでマイロンが現れた。

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