捨てられたひよっこ聖女の癒やしごはん~辺境の地で新しい家族と幸せライフを楽しみます!~
「そうかリズ。じゃあ一緒にスピナへ行こう」
「はい!」
ところが、丁度そこでリズのお腹がぐうぅと怪物のように声を上げた。
「あっ……」
恥ずかしくなってぱっと顔を伏せると、クロウが大きくてゴツゴツした手で頭を撫でてくれる。
「先走った俺が悪かった。まずは火を熾して食べ物を用意する。ちょっと待ってて」
クロウは優しく声を掛けると、手慣れた様子で小枝を集めて火を熾し、ご飯の準備を始めてくれた。
その間、リズはアスランと一緒に少し離れた大木の影で休む。
(クロウさんと出会えたお陰で無事に樹海から出られそうですし、保護もしてもらえるので大変ありがたいですね。……クロウさんは私の救世主です!)
リズはクロウとの出会いを心の中で感謝した。
ただ、残る問題は自分の身体だ。小さな女の子になってしまった原因は不明とはいえ、いつもとの姿に戻れるのか分からない。
そもそもどうして突然身体が小さくなってしまったのだろう。
「いくら考えても、身体が小さくなった理由が分かりません……」
途方に暮れてぽつりと呟いていると、不意に頭上から声がした。
『リズの身体が小さくなったのは私たちのお陰なの』
「えっ……!?」