捨てられたひよっこ聖女の癒やしごはん~辺境の地で新しい家族と幸せライフを楽しみます!~
ヘイリーから万が一に備えて塩の弾丸を袋いっぱいにもらっていたがすぐに役に立つこととなった。次々と忍び寄る影に塩の弾丸を撃ち込んで倒していく。そうこうしているうちに夜明けになり、太陽が顔を見せ始める。日が差せば影の活動も弱まると思っていたが影の数が少し減っただけで状況は芳しくなかった。
(まだ一日も経っていないのにこの有様とは。あの死霊の怨念は相当だったらしいな。司教の聖力が万全なら、こいつらが入り込む余地はなかっただろうが、今は考えても仕方がない。……問題は俺の体力がいつまで持つかだ)
死霊の接吻を受けた人間は日に日に生気がなくなって眠ることも食べることもできない廃人になると言われている。まだ寝なくても平気だが、問題は食事だった。体力をつけるために携帯用の干し肉を口に含むと身体が受けつけず、吐き戻してしまった。早速呪いの洗礼を受ける形となり、その後もドライレーズンで試してみたが無理だった。