捨てられたひよっこ聖女の癒やしごはん~辺境の地で新しい家族と幸せライフを楽しみます!~
(このレシピはお城の元料理人さんに教えてもらったものですが、やっぱりいつ作っても美味しいです)
みんなの姿を見て悦に入ると、ケイルズとメライアが感想を言ってくれた。
「このポークカツレツ、カラッと揚がってて凄く美味しい! それにレモンソースがめちゃくちゃ良い仕事をしてる。リズは料理の天才だね」
「私、今までこんなに美味しい肉料理食べたことないかも! 母さんが作ってくれたカツレツなんか比じゃないわ」
「えへへ。褒めてくれてありがとうございます。みなさんにそう言っていただけると作り甲斐があります」
はにかみながらリズは二人にお礼を言うと二人がぽっと頬を赤く染める。
「嗚呼、リズは可愛くて料理もできて…天才ね!」
メライアはリズの可愛らしさと美味しいご飯にメロメロになった。
(こんなに絶賛されたことないので、嬉しいですけどなんだか恐縮してしまいます……)
ドロテアに引き取られてからはお城の元料理人に教えを請い、美食家である彼女のために定期的に料理を作って出していた。彼女からはいつも「美味しい」という言葉を掛けてもらっていたがここまで大絶賛されたことはなかった。ソルマーニ教会の食事事情を考えればここまで大絶賛されるのは合点がいく。その反面、褒められすぎて気恥ずかしくなる。
見た目からすればリズは小さな女の子。幼い子供が手の凝った料理を作るのだから、褒めたくなるのも無理はないのかもしれない。
(なんだか騙しているみたいで申し訳ないです。でも事実を言ってしまったら、私がリズベットだということも話さなくてはいけません。そうなると、私はまた教会本部へ連れ戻されて処罰されてしまいます)
折角ドロテアが妖精女王や妖精たちに力を借りてリズの身体を小さくしてくれたのだ。彼女の恩情を無碍にするわけにはいかない。