エンドロールの先でも君を恋うから
待っているのは冬休み。クリスマスは私の家に集まることになっている。
毎日が楽しい、思い出が愛おしい。
月ちゃんから瑞星くんとあった事を聞くのが一日の始まりといってもいい。
由良くんとの寄り道は、入るお店も、態度も、段々甘さを増している。
一緒にいる人に似る、は結構的を得ている。
甘いといっても、私と由良くんの関係は“友達”止まり。
気まぐれで友達以上に近づいたりもするけれど、私が無意識に引いている線は越えてこない。
気持ちが追いついていかない、なんてワガママ、由良くんにしか通じないと思う。
もっと、勇気がほしい。
「弥衣」
「どうしたの?」
「そろそろ優羽のとこ行く?」
そうだった、君はいつもそうだね。私に足りないもの全てをくれた。
自分が不自由になっても、私が幸せでいるならそれでもいいと、あの屋上で言った。
まだ、私がなにを望むのか言っていないのに。
気持ちのぜんぶを伝えきれていない。そんなのはもうおしまいにしようか。
優羽にの行く未来を見て欲しいから。私が行くのを待っていてくれないかな。
───どうかエンドロールの先で、私たちを。
「うん、行こう」
私は君を越えて前に進むから。