エンドロールの先でも君を恋うから
「───桜名さん、土曜日なにしてる?」
食べ終わると、月ちゃんは先生からの呼び出し、櫻木君は他の友達とサッカーをするらしく、残りの昼休みは由良くんと二人きり。
由良くんにも誘いは来たけれど首を横に振って、バスケ以外には興味が向かないのかもしれない。
「家にいるかな、私部活もバイトもしてないし…由良くんはその日試合だよね、頑張ってね」
櫻木君の席に座った由良くんは、私の机の上で頬杖をつきながら、さっきあげた桃味の飴をなめている。
「試合、夕方くらいに終わるんだけど屋上来れる?学校開いてると思うし」
「…いいの?疲れてるでしょ由良くん」
わざわざ屋上に呼ぶってことは、きっとノートを読むためだろう。
毎日の練習だけでも辛そうなのに、試合の日なんてもっと辛いんじゃないかな。
運動部のことは分からないけど、体育祭当日は足が重たくて帰るのも一苦労だった思い出がある。
「平気、終わったら連絡する」
ガリッと飴を噛む痛そうな音がした。
由良くん、飴が溶けるの待ってられなそうだもんな…
スイカも種があるから面倒くさいって食べないだろうし、三分待つカップラーメンは二分半でフタを開けそう。