総長様は極甘な妄想を止められない


「うわぁ~けんざきだぁ~。

 けんざき~~~」



彩芽は俺に気づくと



タタタタタ~ 

ピョ~ン!!



俺の胸に飛び込み

涙と鼻水でぐちゃぐちゃな顔を

こすりつけてきた。




「けんざき~~

 来るのおそすぎだよ。
 怖かったよぉぉぉ~~」




「車に連れ込まれる前に
 助けてあげられなくてごめんな」



彩芽の頭をなでた俺。



その時

顔を上げた女と、俺の視線が絡んだ。



「この子の、お兄さんですか?」



「彩芽の兄ではない。
 知り合いの妹」




「彩芽ちゃんって言うんだ。
 そっか、そっか」



ヒマワリが輝くような

とびきりの笑顔を浮かべた女は


「良かったぁ~。
 本当に良かったぁ~」と


ポニーテールを揺らしている。






/// /// /// ///






女の姿を見た俺は

雷に打たれたような衝撃を受けた。



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