総長様は極甘な妄想を止められない
教室の中が騒がしい。
女子の悲鳴に近いものが、飛び交っている。
きゃぁ~とか、剣崎君!とか。
けんざき……くん??
うつむき続けていた私は、顔を上げる。
すると……
ひぃえぇぇぇぇ。
私、怒り顔の剣崎君に
連れ去られてるんですけど……
何が起きてるの?
とりあえず、状況確認をしなきゃ!
「けっ…剣崎君、どこに…行くの?」
「VIPルーム」
「なんで?」
「何でもだよ!」
私はさっき、剣崎君を怒らせるようなこと
何かしちゃった?
しちゃった、しちゃった。
意味不明な日本語を残して
剣崎君の前から逃げちゃった。
とりあえず、謝らなきゃ……