うちら絶対前世でつながっていたよね。ほんと、大好きだよ。だけどごめん。ほんとに、ごめん。
*変化*
「ごめん、お待たせーーー!」
しばらくして、優依が現れた。
いつの間にか大学生になった優依は、サッカーを始めたらしく、髪は短くなっていた。
それでも、私からしたらいつもと変わらない、可愛らしい優依だった。
優依の横には、いかにも「女子~💕」っていうタイプの女の子がいた。
そして、優依とその子は手を繋いでいた。
「彼女やねん。」
私に近づくと、優依は言った。
「そーなんや!はじめまして!」
と笑顔で答えたものの、
実際頭の中では、
『・・・・・』だった。
『今、確かに優依は『彼女』と言った』
『女の子と手を繋いでいた』
『え、優依も女の子だよね!?』
一瞬でいろんな思考が頭を駆け巡った。
私の思考がなんの結論も出せないまま、会食が始まった。
正直、
焼肉屋での優依の彼女は、見てられないくらい優依を甘やかしていた。
肉を焼くのも彼女、
ソースを取るのも彼女。
優依は、ほんま、目の前に置かれた
肉を食べるだけだった。
「だって、ユイくんがケガしたらイヤだもん。」
彼女は言った。
『世界は広しと言うが、ほんま、いろんな付き合いがあるんやなー。』
って、本気で思った。
そんな焼き肉屋での一件が終わり、
優依は私に「メンズってわかる?」
と尋ねた。
どうやら、男っぽい女の子のことをそう呼ぶらしい。
優依は高校生のころ、学校の先生にその性質を見抜かれ、いわゆる「メンズ」が多いって有名な大学をすすめられたらしい。
このころから、優依は少しずつ男っぽさを全面的に出すようになっていた。
髪も短くなったし、身だしなみもえらくボーイッシュになった。
気のせいか、歩き方もちょっと男の子っぽくなっている気がする。
って言っても、
私の前では、可愛らしい「優依」でしかない。
何があっても、「みーちゃん。」と言ってかわいい笑顔を見せる。
『男とか女とか知らんけど、優依は優依だ!』
って、心の底から思った。
今でも、その気持ちは変わらない。