うちら絶対前世でつながっていたよね。ほんと、大好きだよ。だけどごめん。ほんとに、ごめん。
優依が彼女と大喧嘩したあの日、時間はかかったが結局彼女を先に家に帰し、少しだけ家の外で優依と話すことになった。
「彼女が心配するから、少しだけな。」
私がそう提案した。
優依と彼女の中を取り乱すために、わざわざ石垣まで来たんじゃない。
それなのに、私が原因で彼女とケンカなんてさせてしまった。
どうしていいか分からず、正直私も戸惑っていた。
だけど、優依に会うためだけにここまで来たのも事実。
彼女には申し訳ないと思ったが、せっかく会いに来たから、少しでも2人で話をする時間がほしかった。
「今日はごめんな。」
雨が上がり、月明かりに照らされた優依がふとそう言った。
「ぜんぜんいいよ!」
「ま、そんな日もあるやろ。」
笑顔でそう答えた。
・・・・・
「なぁ、みーちゃん。ウチと結婚せん?」
しばらく沈黙があったのち、優依からまさかの一言が飛び出してきた。
笑顔はなく、明らかに真剣な表情だった。
「・・・・・!?!?」
私は、質問の意図を飲み込めずにしばらく言葉を出せなかった。
唐突すぎる一言だった。
でも、本気で考えてみた。
本気で、優依と一緒になる人生を考えた。
『優依と、私。付き合うことなんてできるのか!?』
『ん?女の子と付き合うってこと!?』
『いや、優依は男か!!!』
『んー、いろんな男と付き合って、長続きせんもんなー、私。』
『ワンチャンあり、なのか、、、?』
いろんなことを考えた。
でも、、、
できなかった。
優依とは、付き合うことなんてできない!
「うーん、、、。
優依とはケンカしたくないから結婚できない!」
精一杯考えて出した答えがこれだった。
事実、私はいろんな人と付き合ったけど、絶対にケンカしては、相手のことを嫌いになって別れていた。
私は、優依とそんな関係になりたくなかった。
良い関係をいつまでも、ほんといつまでも続けていたい、と思っていた。
だから、断るための口実ではなく、本気で考え、出した返事だった。
「みーちゃん、断るの上手やね。。。」
優依はそう言って、悲しそうな笑顔を私に見せた。
そんな表情を私に見せたのはこれが最初で、もしかしたら最後でもあったかもしれない。