うちら絶対前世でつながっていたよね。ほんと、大好きだよ。だけどごめん。ほんとに、ごめん。
「もしもし。久しぶりー!!!」
久々の連絡すぎて、心臓が飛び出そうなほどバクバクしていたが、バレないように明るく振る舞った。
「みーちゃん!!!久しぶりやん!!!」
久しぶりに聞く優依の声。
明らかに6年前よりも低く、「男の声」になっていた。
それから約20分、優依と話した。
仕事中であったが、そんなことは関係ない。
6年ぶりとは思えないほど、優依との会話は自然だった。
優依は、戸籍を男に変えたことや婚約までしてた相手と2週間前に別れたこと、仕事のことなどを私に話してくれた。
それと、
正式に名前を「優(ゆう)」に変更したと、教えてくれた。
「おめでとう!!!」
「なら、私も『ゆう』って呼ぼうかな!」
と言った私に、
優依は、「そのままでいいよー!」と言ってくれた。
今では、
私だけが優依のことを『優依』と呼んでいるらしい。
しばらくして、優依に、
「ね、『優依』って呼ばれるの嫌やないん?」
「嫌ならぜんぜん変えるよ!」
と、尋ねたことがあったけど、
優依は、
「ぜんぜん!むしろ新鮮でいい!(^^)」
と、笑顔で答えてくれた。
『優依もいろいろ大変だったな。』
と、考えていた。
今まで優依の話ばっかり聞いていたけど、
突然、優依が
「みーちゃんは?」と、尋ねた。
正直、めっちゃ焦った。
なんて返したらいいか、分からなかった。
「今、彼氏とかおるん?」
優依は続けて尋ねた。
「あ、私、結婚したよ!昨年!びっくりでしょー!?」
隠しておくつもりもなかったため、できるだけ明るくそう答えた。
明らかに声は動揺していたと思う。
「え、そーなん!おめでとーーー!!!」
「子どもはーー??」
優依が、思っていたよりも自然に「おめでとう。」って言ってくれたことに驚いた。
「子どもはいないよー!」
私もできるだけ自然に返答した。
「そーなんや!」
*****
私の心はまだ動揺していた。
同時に、
『あれ、優依は動揺してないのかな?』
と、考え始めた。
『優依、昔は私に気があると思ってたけど、勘違いやったな。』
と、思った。
いろいろ話して
そろそろ電話を切ろうとしていたころ、急に優依のひとりごとのような声が聞こえた。