うちら絶対前世でつながっていたよね。ほんと、大好きだよ。だけどごめん。ほんとに、ごめん。
「なんで結婚したん!!!」
急に優依が言い放った。
語気が強かったから、少しびっくりした。
冗談で言った一言とは、思えなかった。
「ね、そうよね。なんでやろね。」
うまい言い返しが見つからず、変な答え方になってしまった。
「じゃあ離婚してや!」
優依が続けた。
この一言も、冗談には聞こえなかった。
笑いはなく、真剣な表情で言ったのが声から想像できた。
「それは違うやん?(笑)」
1秒ぐらい考えたあげく、これが一番いいと思った返事をした。
なんて言われるか、ドキドキだった。
「あ、違うか(笑)」
いつもの優依に戻った気がした。
さっきまでと違い、電話越しに笑っている表情が見えた。
『無理に笑顔作らせてごめん。。。』
優依に対して、本気でそう思った。
そのあとは、お決まりの会話が始まった。
「はよ会いたいー!」
「いつ会いに来てくれるん?」
「んー、いつやろ。」
「でも、来るよ。絶対。」
「てゆか、優依が会いに来てもいいんやで(笑)」
100%冗談のつもりだった。
いつも会いに行くのは私のほうだったし、優依が私なんかに会いに来るはずないと思ってた。
それなのに、
「それありやな、、!」
私の予想を反した返事が返ってきた。
頭では、『私が会いに行くけん、いいよ!』と思っていても、どうしても会いたい気持ちが優先される。
「それか石垣でも!」
私と優依の、思い出の場所。
「え、それありやな!」
(なあ、今度石垣行こうよ!)
優依は、隣にいるであろう友だちにすぐに話しかけた。
「石垣やったら、みーちゃんもすぐ帰れんよな?」
なんとなく優依の言いたいことはわかった。
「そりゃーな(笑)日帰りできんし、どっか泊まるよ!」
明るく返した。
「やった!朝まで飲めるやん!」
優依は、素直に嬉しそうだった。
「ね、みーちゃん。もし石垣来たらさ、そのあと兵庫にも来てくれる?」
寂しそうな声で、優依が尋ねてきた。
「当たり前やん!」
「どっちが先でもいいし!」
その気持ちに嘘はなかった。
「うん、ありがとう!」
優依の安心した顔が見えた気がした。
「明日仕事やし、そろそろ帰ろーかな。」
優依が切り出した。
「うん、ありがとう。気を付けてね!」
まだまだ話したい気持ちを押さえ、そう答えた。
「みーちゃんも気を付けなよ(笑)」
「はあい(笑)またね!」
「うん、また!」
3秒ぐらい待って、私から電話を切った。