うちら絶対前世でつながっていたよね。ほんと、大好きだよ。だけどごめん。ほんとに、ごめん。
その晩。
夢を見た。
夢の中で、優依とさっきの話の続きを話していた。
「なぁ、本当にこれでいいん?」
「本当にこの選択で合ってるのか、俺に聞いてみた?」
夢の中で、優依が私に詰め寄る。
私は、考えても考えても何も言えなかった。
優依のプライベートに突っ込んで口だす権利なんて、結婚してる私にあるわけがない。
それしか、思えなかった。
「ほんとにこのままでいいと?」
優依が続ける。
優依の気持ちや考えが、正直わからなかった。
結婚したいと思える相手がいても、私にはこれからも会いたいと言ってくれた。
それってさ、
会うだけの関係?
友だちとして?
それとも
それ以上の関係として?
私には聞けなかった。
きっと優依も、たくさん考えたんだと思う。
考えて考えて、勇気を出して私に話してくれたんだと思う。
元々自己肯定感の低いうえに、複雑な人生を生きてきた優依。
きっと、恋愛も想像できないくらい苦労してきたと思う。
本当は、私がそばにいたはずだった。
空白の6年間があったけど、私はいつでも優依に寄り添っていたはずだった。
けど
それは
きっと、私の思い違いだったんだと、今になって気がついた。
優依が本当に辛いとき、私はそばにいてやれなかった。
優依が私への想いを伝えてくれたとき、私は受け入れることができなかった。
優依が生まれかわったとき、私はそばで喜んであげられなかった。
優依が今でも好きと伝えてくれたとき、私はそれがいつまでも続くと思っていた。
優依はきっといつまでも私のことを好きでいてくれるって、そんなふうに思っていた。
久しぶりに会って、優依の存在の大きさに改めて気がついた。
優依のことが大好きだと、心から思えた。
離婚だって意識し始めた。
優依と一緒になれる人生を、本気で夢見ていた。
デモモウオソイ
優依は、私とは違う人と一緒になる道を歩みすすめていた。
優依のことをそばで見守り続け、複雑な優依のすべてを心から理解してくれる人は、私ではなくずっと優依の近くにいた。
悔しくて、涙がとまらなかった。
優依が、私と一緒になる人生を考えきれなかったこと
私が、優依を幸せにすることができなかったこと
他の誰でもなく、私と優依を離ればなれにさせた人とあゆむ道を、優依が選んだこと
すべてが、悔しかった。
でも、
子どもがほしいと願っていた優依にとって、きっと良かったんだと思う。
そう思うしかない。
優依には、幸せになってほしい。
相手が誰でも、優依にとって悔いのない一生を過ごしてほしい。
複雑な人生だったからこそ、優依のすべてを理解して寄り添ってくれる人と一緒になってほしい。
正直、
はぁーーーーーーー、と
ため息はでるけど。
しゃーない。
葛藤するのは、ここが私のターニングポイントだからだと、自分に言い聞かせる。
ここから先、
自分の人生をよくしていくのか、悪くしていくのか
自分の判断と行動でどうにでもなる。
私自身、悔いのない人生を生きたい。
なんてたって、
優依を好きだと思う気持ちは変わらない。
この先、私も優依もどうなるかわからないけど、お互いにとって幸せだと感じられるように、後悔のない日々を過ごそうと思う。
きっと、大丈夫。
私たちなら、乗り越えられる。
今までのように、いつか笑って過去を話せる日が来ると信じている。
優依、幸せな人生送れよ。
私も幸せになる。
優依、今まで寄り添えなくてごめん。
これからは、優依のこと支えられる人になるよ。
優依、大好きだ。
優依が女だったとしても、
男だったとしても。
魂レベルで愛してる。
優依、来世では絶対に一緒になろう。
優依、
大好きだよ。
***** ** end ***** *