プリザーブドLOVE  ~けっして枯れない愛を貴女に~
 急に言われて来たのはわかってるけど。
 うーん。これじゃあ、打ち合わせにならない。
 別に日程変更してもらっても構わなかったのに。

 そう思ったが、でも、それはここにいる彼のせいというわけではない。

 とりあえず、役所に持ち帰って確認してもらう事項を伝えた。

 田所はそれを一生懸命メモしていたが、その字がとてもきれいで感心した。

 うちの事務所のバイトの男の子たちとは雲泥の差だ。

 職業柄、人より余計に気になるのかもしれないが、字が汚いと人柄も信用できない気がする。
 なんか、ルーズな人間じゃないかという気がして。もちろん、例外はあるだろうけれど。

「では、できれば来週の早いうちに文化センターを視察させていただきたいのですが」

「わかりました。課長の予定を確認してから連絡させていただきます」

「じゃあ、今日は、そんなところですね」
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