プリザーブドLOVE ~けっして枯れない愛を貴女に~
第3章 薔薇園にて
ゴールデンウィーク明けの火曜日、わたしは田所が勤めるN市役所を訪れた。
写真や動画資料を送ってもらっていたので、場所のイメージはだいたい掴めていたが、やはり自分の目で直接見ないとわからないことも多い。
今回のような施設や店舗のグラフィックの依頼を受けたときには、必ず一度は現地に行くことにしていた。
***
「おたくの事務所は東京のど真ん中にあるそうですな。田所が興奮して話してくれましたよ」
四十代後半ぐらいの恰幅のいい課長は早口で饒舌だった。
「で、今回は、モノがデザインですし、わたしみたいな無粋な人間より若いやつのほうがいいだろうと、田所に担当させることにしました。なにぶん、まだ未熟で至らないことが多いとは思いますが、どうかよろしくご指導下さい」
「いいえ、そんな」
写真や動画資料を送ってもらっていたので、場所のイメージはだいたい掴めていたが、やはり自分の目で直接見ないとわからないことも多い。
今回のような施設や店舗のグラフィックの依頼を受けたときには、必ず一度は現地に行くことにしていた。
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「おたくの事務所は東京のど真ん中にあるそうですな。田所が興奮して話してくれましたよ」
四十代後半ぐらいの恰幅のいい課長は早口で饒舌だった。
「で、今回は、モノがデザインですし、わたしみたいな無粋な人間より若いやつのほうがいいだろうと、田所に担当させることにしました。なにぶん、まだ未熟で至らないことが多いとは思いますが、どうかよろしくご指導下さい」
「いいえ、そんな」