プリザーブドLOVE  ~けっして枯れない愛を貴女に~
 田所はそこで一拍置いて、わたしのほうを見た。
 そして、真剣な目をして、不自然なほどゆっくり……

『あなたを愛してる』

 と言ったあと、「というのもありますね」と付け加えた。
 
 突然の愛の告白の言葉に過剰に反応して、わたしの心臓がまた、はねた。

「えっ、ああ、そっか。プロポーズの定番の花だものね」


 どうも、今日はペースがおかしい。

 文化センターの前で転びそうになったときからずっと。

 
「そう。そのプロポーズで気をつけなきゃいけないのは、本数で意味が変わるとこですね」

「ああ、それは聞いたことがある。たしか……プロポーズは」

「これもいろいろ言われているけど、12本とか108本っていうのが人気らしいですよ。108本のほうは花束にすると迫力があるし。『とわ』の語呂合わせらしいっすけど」

「なるほど。面白いね。わたしも調べてみよう」

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