プリザーブドLOVE  ~けっして枯れない愛を貴女に~
 普段は感じないけれど、病気のときには一人暮らしのわびしさが身に染みる。

 気弱になったわたしは、亘に「熱が下がらない」とメールした。
 しばらくすると、電話がかかってきた。

「鬼の撹乱だな。食べるもんはあるのか」
「ないけど。欲しくないからいい」
「食って、薬飲んで、寝なきゃ治んないぜ、風邪は。後でなんか届けてやるよ」
「うん、待ってる」

 こんな時、辛さを訴えることのできる存在のありがたみをひしひしと感じる。

 亘がいてくれて良かった。
 顔を見たら安心できそう。
 病気の時ぐらい、甘えさせてもらおう。

 でも……。
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