プリザーブドLOVE  ~けっして枯れない愛を貴女に~
 約束どおり、亘はサムゲタンを届けてくれた。
 行きつけの韓国料理店のもので、わたしの大好物。

 ただ、届けてくれたのは、亘ではなくUberのお兄さん。

 ……そっか。風邪、うつったら困るものね。

 それが亘のやり方だと知っているし、そんなことで愛情を測ることも間違いだとわかっている。

 でも、一目でいいから会いたかった。
 玄関先で、ほんの数分でよかった。

 弱った身体と心に、人恋しさが募る。
 骨と骨の隙間を風が吹き抜けていくように寂しい。

 町中を白一色に染めてしまう雪のように満たされないという気持ちが心を埋めていく。

 もう……限界かも。
 亘と付き合っていくのは。
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