プリザーブドLOVE  ~けっして枯れない愛を貴女に~
 きっと、気になることでもあったんだろう。
 知り合いの誰かによく似ているとか。

「えっと、じゃあ具体的なことは、担当者が承りますんで」

 亘に促されて、わたしは名刺を差し出した。

「今回、担当させていただきます、佐久間です。よろしくお願いします」

 彼はきちんと両手で受け取り、それから自分の名刺を返した。

〈N市教育委員会、生涯学習課、田所優〉

 男性にしてはやけに華奢な指先が目を引いた。
 すんなりとしたきれいな指だった。

「たどころ、ゆうさん?」

「〝ゆう〟じゃなくて〝すぐる〟って読みます。完全に名前負けしてますけど。よろしくお願いします」

 田所は深々と頭を下げた。
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