花婿候補は完璧主義の理系御曹司!? 〜彼の独占欲には抗えません
1,私に許嫁候補!?
「ねえ、藤森さん、社内報見た?今度の社長めっちゃカッコいい。三十歳でまだ独身だって」
経理の山田さんが私に書類を渡しながら新しい社長の話題を口にする。
「まだ見てない。でも、若い女の子たちが色めき立ってたよ」
パソコン画面から顔を上げ、フフッと笑ってそう返したら、山田さんに突っ込まれた。
「若い女の子って……私たち二十代だよ。まだ充分若いって。じゃあね」
軽く手を振る彼女を見送り、再びパソコン画面と睨みっこする。
三月下旬、桜が満開で普通なら明るい気分になるはずなのに、私は桜を愛でる余裕もなくかなり焦っていた。
私は藤森花音、二十七歳。
身長は百五十七センチで細身。髪は黒髪ロングのストレートで、毎日トリートメントをしてケアしている。顔は小さく、目は猫目。六つ上の従兄には『猫娘』と言われ、いつもからかわれている。
そんな私は、製薬会社『一二三』の研究所で働く研究員。
経理の山田さんが私に書類を渡しながら新しい社長の話題を口にする。
「まだ見てない。でも、若い女の子たちが色めき立ってたよ」
パソコン画面から顔を上げ、フフッと笑ってそう返したら、山田さんに突っ込まれた。
「若い女の子って……私たち二十代だよ。まだ充分若いって。じゃあね」
軽く手を振る彼女を見送り、再びパソコン画面と睨みっこする。
三月下旬、桜が満開で普通なら明るい気分になるはずなのに、私は桜を愛でる余裕もなくかなり焦っていた。
私は藤森花音、二十七歳。
身長は百五十七センチで細身。髪は黒髪ロングのストレートで、毎日トリートメントをしてケアしている。顔は小さく、目は猫目。六つ上の従兄には『猫娘』と言われ、いつもからかわれている。
そんな私は、製薬会社『一二三』の研究所で働く研究員。