花婿候補は完璧主義の理系御曹司!? 〜彼の独占欲には抗えません
いつも淡々とした口調で話す岡本さんだが、今は親しみやすい感じで話していて、最近の彼の印象はだいぶ変わった。
感情に乏しいとっつきにくい人だって思ったけど、優しい人だと思う。
チョコをくれたし、私の仕事のことも心配してくれてた。
「なんか冷蔵庫の中身聞いてると悲しくなってきますね。今夜はじゃんじゃん食べて体力つけましょう」
そう返して、三人で向かったのは先日歓送会をした居酒屋の近くにあるステーキハウス。
四人がけのテーブル席に案内され、私と岡本さんが並んで座り、一之瀬さんが向かい側の席に着く。
店員さんが持ってきたメニューを三人で眺めるが、黒毛和牛ステーキの値段を見て引いてしまった。
百五十グラムで三千円。
やはりなかなかいいお値段。
最近コンビニの百二十円のおにぎりを食べていた私にはとんでもなく高く感じる。
金欠ではないけれど、こんな高い物食べていいのだろうか。
今月歓送迎会ラッシュでお金飛んでいくのになあ。
< 100 / 251 >

この作品をシェア

pagetop