花婿候補は完璧主義の理系御曹司!? 〜彼の独占欲には抗えません

「そんな企みはないよ。ただ、彼女には伝えておいた方がいいと思ったんだ。これから深い関係になるならなおさらね」
「遊びで花音に近づいているのならやめておいた方がいいぞ。俺が容赦しない」
神宮司が殺気を漲らせながら警告するので、クスッと笑った。
「それは怖いね。でも、遊びじゃないから安心してほしい」
「そんな言葉、信じられると思うか？」
「実は昨日、酔った彼女をうちに泊めたけど、手は出さなかったよ。あっ、キスはしたけどね
」
キスのことを思い出したかのように言って相手の反応を見ると、彼はギロッと俺を睨みつけてきた。
「お前……社会的に抹殺してやろうか？」
こめかみの血管が浮き出ている。
俺の言葉ひとつでこんなに怒るなんて、相当花音が大事なんだな。
「落ち着いてよ。もう花音は大人だ。いくら従兄だからってどうしてそこまで目くじらを立てる必要がある？」
彼をなだめようとするが、その喧嘩腰の態度は変わらない。