花婿候補は完璧主義の理系御曹司!? 〜彼の独占欲には抗えません
「大切だからに決まってるだろ?」
「ひとつ確認したいんだけど、花音に対して恋愛感情は一ミリもない?」
俺の質問に彼は心外だと言わんばかりに片眉を上げる。
「はあ?あるわけないだろ?俺にとっては従妹じゃなくて、あいつは妹なんだよ。あいつの亡くなった両親に代わって花音を守るって決めてる」
彼女の両親の話が出てきて、昨夜のことを思い出した。
「やっぱり……花音の両親はもういないんだね」
「ああ。九年前にドライブ中に土砂崩れにあって亡くなった。花音も両親と一緒の車に乗ってたんが、あいつは助かった。きっと花音の両親が守ってくれたんだと思う。だから、俺が認めた男以外にはあいつはやらない」
神宮司の覚悟が伝わってくる。
こういうタイプ、嫌いじゃない。
それに、自分が認めた相手なら花音を渡すと言っているのだ。
「神宮司さんが花音に惚れてないと知って安心したよ。なんの気兼ねなく彼女を口説けるからね」
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