花婿候補は完璧主義の理系御曹司!? 〜彼の独占欲には抗えません
「嫌じゃないなら、これからも遠慮なくするから覚悟してね」
「れ、蓮〜!」
赤面しながら名前を叫んだら、彼は私の背中をポンと叩いた。
「お風呂入って来たら?俺はピザでも頼んでおく。夕飯まだでしょう?」
「まだですけど……でも……」
社長に頼ませるのは気が引けるって言ったら怒られそう。
困惑する私の背中を蓮は押した。
「いいから入ってくる」
彼に言われるままバスルームに行き、シャワーを浴びる。
蓮がいるのにのんびりお風呂に浸かる気分ではなかったのだ。
彼がうちにいると思うとなんというかそわそわしてしまう。
うちに来てもらうのは二回目だけれど、前回は寝てたし、起きた状態というのは初めて。
部屋着に着替えて髪をさっと乾かしてリビングに戻ると、蓮が誰かと電話で話していた。
「よろしくお願いします。じゃあ」
彼は私の気配に気づくと、目を合わせてきてすぐに電話を切った。
「花音の従兄にラドクリフのことを報告しておいた。彼も花音のことを心配してるから」
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