花婿候補は完璧主義の理系御曹司!? 〜彼の独占欲には抗えません
9,彼女と愛し合う ー 蓮side
風呂から上がってテントに戻ってきた花音にペットボトルの水を手渡す。
「水分補給忘れずに。俺も入ってくる。眠かったら寝てていいよ」
チラッと花音を見ると、彼女の目は泳いでいてまだ焚き火の時の発言を気にしているのだと思った。
もう少し心を落ち着かせる時間が必要かな。
テントを出て風呂に入るが考えるのは花音のこと。
今日ずっと一緒にいて彼女が俺に好意を持っていることがはっきりとわかった。
好きと口にできるほどではないが、それでも今日一日で互いの距離が一気に縮まった気がする。
今まで女性のためになにかしたことはなかったが、遠出してよかった。
自然と触れ合うことでお互い忙しい日常を忘れてリフレッシュできたように思う。
また彼女をいろんなところに連れていこう。
一緒にいて感じたのはまだ彼女がご両親の死を乗り越えていないこと。
ふとした時に両親のことを語る花音の目はどこか悲しそうで、そんな彼女のそばにいてずっと支えたいと思った。
< 169 / 251 >

この作品をシェア

pagetop