花婿候補は完璧主義の理系御曹司!? 〜彼の独占欲には抗えません
神宮司から花音に対して恋愛感情はないと聞いていたが、それでも今ふたりでいる時に彼女の口から彼の話を聞きたくなかった。
俺の中でなにかが弾けたような気がする。
「神宮司の話をされると妬けるんだけど」
花音の手からグラスを奪い、酒をあおる。
「え?」
横で俺をじっと見ていた花音を抱き上げてベッドに運んだ。
俺の行動に呆気に取られている彼女。
「俺だけを見てほしい」
俺もベッドに上がると花音を見つめて懇願し、彼女を組み敷いた。
「嫌だったら逃げて」
今まで誰よりも冷静で女ごときで感情を乱すことなどないと思っていた。
だが今の俺は……花音が欲しくて堪らない。
まだ理性が残っているうちに警告し、彼女に選択させた。
「蓮……」
俺の名を呼び花音がとても愛おしい。
ちゃんと話すようになってまだ数日しか経っていないのに、こんなにも彼女に夢中なのは多分なにか特別なものがあるからなのだろう。
彼女が逃げる様子がないので、「好きだよ」と囁いて彼女の唇を奪った。
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