花婿候補は完璧主義の理系御曹司!? 〜彼の独占欲には抗えません
奥にある窓のカーテンが微かに揺れている。
浩介と足音を忍ばせながら向かうと、ベランダに花音とディランがいた。
ディランは花音の喉元にナイフを突きつけていた。
「それ以上こっちに来るな。手元が狂って花音が傷つくぞ」
「ラドクリフ、お前!」
今にもディランに飛びかかりそうな浩介の腕を掴んでとめる。
「浩介、落ち着いて。ただの振りです。本気じゃない」
「それはどうかな、蓮。まさか台湾まで花音を追ってくるとは思わなかったよ。物に執着しないんじゃなかったかな?」
俺を見据えて楽しげに目を光らせるディラン。
彼と言葉遊びをする気はなく、自分の要求を伝える。
「花音を返してもらうよ」
「うちに不法侵入しておいてよく言う」
ディランの皮肉に冷たく切り返した。
「花音を誘拐しておいてよく言いますね」
「神宮司のじいさんの許可はもらってるぞ」
彼の勝手な言い分に怒りが込み上げてきたが、努めて冷静に言った。
浩介と足音を忍ばせながら向かうと、ベランダに花音とディランがいた。
ディランは花音の喉元にナイフを突きつけていた。
「それ以上こっちに来るな。手元が狂って花音が傷つくぞ」
「ラドクリフ、お前!」
今にもディランに飛びかかりそうな浩介の腕を掴んでとめる。
「浩介、落ち着いて。ただの振りです。本気じゃない」
「それはどうかな、蓮。まさか台湾まで花音を追ってくるとは思わなかったよ。物に執着しないんじゃなかったかな?」
俺を見据えて楽しげに目を光らせるディラン。
彼と言葉遊びをする気はなく、自分の要求を伝える。
「花音を返してもらうよ」
「うちに不法侵入しておいてよく言う」
ディランの皮肉に冷たく切り返した。
「花音を誘拐しておいてよく言いますね」
「神宮司のじいさんの許可はもらってるぞ」
彼の勝手な言い分に怒りが込み上げてきたが、努めて冷静に言った。