花婿候補は完璧主義の理系御曹司!? 〜彼の独占欲には抗えません

面白そうに玲子さんがその話を口にするので思わず声を上げた。
「え！嘘！あ、あれは私が休憩でちょっと寝てて……起きたら岡本さんの膝枕で寝てて……一生の不覚です。なんでそうなったかわからなくて……」
何度考えてもどうして膝枕なんて事態になったのかわからない。
「目撃した研究員の話では、近づいてはいけないし、話しかけてもいけない雰囲気だったって言ってたわよ」
一体何人に見られたのか。
口止めもできないじゃないの。
「まあ異様な光景だったでしょうね」
自分でも信じられない。
「すごくお似合いに見えたとも言ってたわよ」
フフッと笑う彼女を上目遣いに睨んだ。
「もうからかわないでくださいよ、玲子さん」
「ねえ、うちの研究員と結婚するっていうのはどう？みんな基本真面目だし、浮気もしないと思うわよ」
彼女の発言にギョッとして聞き返した。
「もしかして、浩ちゃんから話聞きました？」
元カノとは言っても玲子さんは今でも浩ちゃんと連絡を取り合っている。