花婿候補は完璧主義の理系御曹司!? 〜彼の独占欲には抗えません

岡本さんの要望に応えようと冷蔵庫からペッドボトルの水を取り出し、キャップを外して彼に飲ませる。
「さあ、水ですよ。飲んでください」
ゴクゴクッと水を飲み込む彼。
これで目が覚めて自分の部屋に帰ってくれないかと思ったが、彼はソファに横になって本格的に就寝モードに入った。
「ちょっと待って岡本さん！ここで寝ないでください！」
肩を揺さぶって起こそうとしたら、彼は名前を訂正しながらメガネを外した。
「……蓮だよ」
ボトッと床に落ちたメガネを拾い上げ、ペットボトルの水と一緒にテーブルに置く。
「岡本さんでも蓮でもなんでもいいから起きて……！」
あたふたしながら岡本さんに言い返すが、そのメガネのない顔を見て思わず息を呑んだ。
なんて綺麗な顔ーー。
目は閉じているけれど、目鼻立ちの通った端正な顔立ち。
身近にイケメンが何人もいて美形には慣れているつもりだったが、つい魅入ってしまう。
この人……こんなに美形だったんだ。