花婿候補は完璧主義の理系御曹司!? 〜彼の独占欲には抗えません
彼の手を外しながらそっと起き上がると、バスルームに行ってシャワーを浴び、メイクも容器に残ってた数滴のメイク落としで落としたが、夜そのまま寝たせいで肌が少し荒れていた。
五分ほどでシャワーを浴び終えると、身支度を整える。
「……ひどい顔」
鏡を見て苦笑いしながらメイク。
リビングに戻ると、まだ岡本さんは眠ったまま。
寝室へブランケットを取りにいき、彼にかけた。
その姿は眠れる王子そのもの。
この人、一日何時間寝るんだろう?
一日寝ないとか日常茶飯事でやってそう。
キッチンへ移動して、朝食を作ると、いつもはテレビでニュースを観ながら食べるのだが、今日はソファで眠っている岡本さんの顔を眺めながらおにぎりを頬張る。
まだ彼がうちにいることが信じられない。
ひょっとしたらこれは現実ではないのかも。
あまりに疲れていて私が寝ぼけているだけ。
そう思い込もうとしても、視界に映っている彼の姿は消えない。
「……やっぱりいるよね。まだお化け見たって言う方が私には現実味があるかも」
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