花婿候補は完璧主義の理系御曹司!? 〜彼の独占欲には抗えません

わかりやすいな。
じゃあ、これならどんな反応をする？
「ーーそれに、花音と寝たお陰でぐっすり眠れたよ」
俺の衝撃発言に花音とその男は顔を強張らせた。
一方、直也はそんな状況を見て面白そうに目を光らせている。
「そちらは？」
直也に目を向けて尋ねると、彼は「神宮司総合病院の神宮司先生。神宮司、彼はガンの新薬開発プロジェクトのサブリーダーの岡本」
直也が俺を紹介したので右手を差し出して挨拶した。
「岡本蓮です。どうぞよろしく」
神宮司総合病院はうちの重要顧客のひとつ。
それに治験に協力してくれる大事なパートナーでもある。
医院長は確か五十代くらいの柔和な雰囲気の人だったが、目の前にいる彼は恐らくその息子だろう。
なんとなく医院長の面影がある。
それに俺が知っているある人にも似ていた。
それは神宮司グループの理事長で、俺がいた孤児院の院長の神宮司巌。
「神宮司浩介です。よろしくお願いします」