花婿候補は完璧主義の理系御曹司!? 〜彼の独占欲には抗えません
だが、彼は自分が一番花音にまとわりついている虫だということに気づいていない。
従妹なのに干渉しすぎじゃないか。
「大丈夫ですよ。うちの研究所には変な虫なんていませんから」
にっこり笑ってそう返すと、相手は俺を鋭い眼光で見据えた。
「そう願いたいですね……あっ、ちょっと失礼」
スマホのバイブ音がして神宮司がスーツのポケットからスマホを取り出し、画面を確認する。
「すみません。すぐに病院に戻らないと」
神宮司がそう言うと、直也がにこやかに申し出た。
「じゃあ正面玄関まで送るよ」
「いや、花音に正面玄関まで案内してもらうからいい。では、また」
こちらに口を挟むすきを与えず、神宮司は俺にチラッと目を向けると、戸惑いを見せている花音を伴ってラボを後にする。
ふたりがいなくなると、直也に神宮司のことを尋ねた。
「親しげに話していたが、神宮司浩介とは知り合いなのか?」
「ああ。高校の時の同級生だよ。友達というよりは俺のライバルみたいな存在だったかな」
従妹なのに干渉しすぎじゃないか。
「大丈夫ですよ。うちの研究所には変な虫なんていませんから」
にっこり笑ってそう返すと、相手は俺を鋭い眼光で見据えた。
「そう願いたいですね……あっ、ちょっと失礼」
スマホのバイブ音がして神宮司がスーツのポケットからスマホを取り出し、画面を確認する。
「すみません。すぐに病院に戻らないと」
神宮司がそう言うと、直也がにこやかに申し出た。
「じゃあ正面玄関まで送るよ」
「いや、花音に正面玄関まで案内してもらうからいい。では、また」
こちらに口を挟むすきを与えず、神宮司は俺にチラッと目を向けると、戸惑いを見せている花音を伴ってラボを後にする。
ふたりがいなくなると、直也に神宮司のことを尋ねた。
「親しげに話していたが、神宮司浩介とは知り合いなのか?」
「ああ。高校の時の同級生だよ。友達というよりは俺のライバルみたいな存在だったかな」