花婿候補は完璧主義の理系御曹司!? 〜彼の独占欲には抗えません
「岡本さんはうちの研究員さんだし、大丈夫だよ」
「お前は馬鹿か。あれは只者じゃない。一之瀬よりもヤバい感じがする」
穿った見方をする彼に反論した。
「でも、一之瀬さんみたいに目立ってないよ。存在感今まで全くなかったし」
危険人物のように言わないでほしい。
私の言葉に納得していないのか、浩ちゃんは顎に手をやりひとりブツブツ言っている。
「……頭ボサボサにして、冴えない格好してんのはわざとだろうな。でも、なんでだ?」
浩ちゃんだったら、オスの猫と戯れててもなにか文句を言いそう。
私よりももっと気にしなきゃいけないことあるでしょう?
「浩ちゃん、病院から呼び出しがあったんじゃないの?」
私が声をかけると、従兄は再度釘を差した。
「ああ、わかってる。いいか、あいつには近づくな」
「それは無理だよ。同じ部にいるもの。でも、大丈夫だよ。うちの研究員さんだし、いい人だよ。チョコくれたしね」
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