ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!~10回殺され追放されたので、今世は自由気ままな人生を満喫してもいいですよね?~
そして、空から光の矢となって瘴気に降り注いだ。今まで何度もやってきたことだ。
だが、今回はいつもと少し様子が違っていた。
「く、苦しい……」
胸が痛い。全身が突き刺されているかのようだ。瘴気を祓いに来て、こんな痛みを覚えたことはなかった。
「で、殿下! 今日はここまでですわっ!」
あまりの痛みに耐えかねて、その場に崩れ落ちる。瘴気は薄くなったものの、まだ半分以上がその場に残っていた。
「ここまでって、まだ瘴気は浄化できていないぞ」
「私の身体がもちません……続きはまた後日、改めて」
こんな濃い瘴気を、一度に浄化できる者がいたら、お目にかかってみたいものだ。どうかしている。
「身体がもたないって、そんな。アレはこのくらいすべて飲みこんでいたぞ」
姉を出されて、思わずジェルトルーデは声を荒げた。
「あんな化け物と一緒にしないでくださいまし!」
呪いにむしばまれた娘。ジュスランも、姉のことをそう言って笑っていたじゃないか。
「あ、ああ――そうだな、そうだったな」
ジュスランの笑みが、どこか歪んでいるように見える。ジェルトルーデが目を瞬かせた時には、その歪みは消え失せていた。こちらに向けられているのは、なだめようとしている笑み。
一度に全部の浄化は無理だが、とりあえず瘴気は浄化できるだけ浄化し、残りは後日改めて浄化するということになった。他の聖人聖女にも協力を求めることになるだろう――皆、ジェルトルーデ以下の力の持ち主でしかないが。
だが、今回はいつもと少し様子が違っていた。
「く、苦しい……」
胸が痛い。全身が突き刺されているかのようだ。瘴気を祓いに来て、こんな痛みを覚えたことはなかった。
「で、殿下! 今日はここまでですわっ!」
あまりの痛みに耐えかねて、その場に崩れ落ちる。瘴気は薄くなったものの、まだ半分以上がその場に残っていた。
「ここまでって、まだ瘴気は浄化できていないぞ」
「私の身体がもちません……続きはまた後日、改めて」
こんな濃い瘴気を、一度に浄化できる者がいたら、お目にかかってみたいものだ。どうかしている。
「身体がもたないって、そんな。アレはこのくらいすべて飲みこんでいたぞ」
姉を出されて、思わずジェルトルーデは声を荒げた。
「あんな化け物と一緒にしないでくださいまし!」
呪いにむしばまれた娘。ジュスランも、姉のことをそう言って笑っていたじゃないか。
「あ、ああ――そうだな、そうだったな」
ジュスランの笑みが、どこか歪んでいるように見える。ジェルトルーデが目を瞬かせた時には、その歪みは消え失せていた。こちらに向けられているのは、なだめようとしている笑み。
一度に全部の浄化は無理だが、とりあえず瘴気は浄化できるだけ浄化し、残りは後日改めて浄化するということになった。他の聖人聖女にも協力を求めることになるだろう――皆、ジェルトルーデ以下の力の持ち主でしかないが。