ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!~10回殺され追放されたので、今世は自由気ままな人生を満喫してもいいですよね?~
王宮に戻る馬車の中、妙に沈んだ空気だったのは、ジェルトルーデの気のせいとばかり言えないだろう。
「ジェルトルーデ」
「はい、殿下」
先程怒鳴りつけたことなどなかったかのように、ジェルトルーデは微笑んだ。できるだけ美しく見えるように。ジュスランは、そんなジェルトルーデに思ってもみなかった提案をしてくる。
「神殿に赴き、祈りの間で祈りを捧げてくれないか?」
「私が、ですか?」
「ああ。本物の聖女である君に頼みたい」
神殿に赴いて祈りを捧げるのは、かなり面倒だ。確実に、神官長に捕まり、身なりのことだの、聖女の祠で暮らさないことだのについて文句を言われる。
ヴィニーシアはそんな派手な格好はしなかった。聖女らしくしろと言われても、姉は醜かったのだから美しく装う必要なんてないではないか。
「……かしこまりました」
聖女の祠と神殿、どちらに赴くのがましか考えてみたけれど神殿の方がまだましな気がする。聖女の祠には人がいないから、沐浴もひとりでやらなければならない。
神殿に行けば、女性神官が沐浴の手伝いをしてくれる。それに、聖女にふさわしい扱いをしてくれる神官達に身の回りの世話をさせるのも悪くはないのではないかと思えてきた。
「お任せくださいませ。神殿で祈りを捧げてまいります」
今は、ジェルトルーデがこの国一の聖女なのだ。結界が弱くなっているのも、ジェルトルーデが祈りを捧げればすぐに修復されるだろう。
「ジェルトルーデ」
「はい、殿下」
先程怒鳴りつけたことなどなかったかのように、ジェルトルーデは微笑んだ。できるだけ美しく見えるように。ジュスランは、そんなジェルトルーデに思ってもみなかった提案をしてくる。
「神殿に赴き、祈りの間で祈りを捧げてくれないか?」
「私が、ですか?」
「ああ。本物の聖女である君に頼みたい」
神殿に赴いて祈りを捧げるのは、かなり面倒だ。確実に、神官長に捕まり、身なりのことだの、聖女の祠で暮らさないことだのについて文句を言われる。
ヴィニーシアはそんな派手な格好はしなかった。聖女らしくしろと言われても、姉は醜かったのだから美しく装う必要なんてないではないか。
「……かしこまりました」
聖女の祠と神殿、どちらに赴くのがましか考えてみたけれど神殿の方がまだましな気がする。聖女の祠には人がいないから、沐浴もひとりでやらなければならない。
神殿に行けば、女性神官が沐浴の手伝いをしてくれる。それに、聖女にふさわしい扱いをしてくれる神官達に身の回りの世話をさせるのも悪くはないのではないかと思えてきた。
「お任せくださいませ。神殿で祈りを捧げてまいります」
今は、ジェルトルーデがこの国一の聖女なのだ。結界が弱くなっているのも、ジェルトルーデが祈りを捧げればすぐに修復されるだろう。