ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!~10回殺され追放されたので、今世は自由気ままな人生を満喫してもいいですよね?~
オーブンからは、いい香りが漂い始めた。クッキーをオーブンから出したら、籠に山盛り入れて、ベラの店に納品に行こう。
その前に、庭の野菜を収穫しておこうか。ベラのところに、葉物野菜をおすそ分けするのもいいかもしれない。
(ハーブも、少し手入れしておかなくちゃ)
植物の手入れ道具を手に、外に出る。
「――あ」
ちょうど、向こう側から歩いてきたエヴァンドロとかち合った。彼の後ろにはヨアキムが従っている。
慌ててシアは目を伏せた。そして、エヴァンドロと会釈をかわす。
(ここに来ている呪いと、陛下への呪いは同じ術者がかけているのよねぇ……)
エヴァンドロとシア。ふたりに呪いを送りつけているのは同一人物だ。だけど、シアを呪うことに、なんの意味があるのだろう。
考えてはみるけれど、答えは見つかりそうになかった。
* * *
ふぅとエドは大きく息をついた。
彼が毎回離宮の前を通りかかるのは、ヴィニーシアの様子をうかがうためだ。
だいたい同じぐらいの時間になるように政務の予定を組んでいる。
(――なにをやっているんだろうな)
その前に、庭の野菜を収穫しておこうか。ベラのところに、葉物野菜をおすそ分けするのもいいかもしれない。
(ハーブも、少し手入れしておかなくちゃ)
植物の手入れ道具を手に、外に出る。
「――あ」
ちょうど、向こう側から歩いてきたエヴァンドロとかち合った。彼の後ろにはヨアキムが従っている。
慌ててシアは目を伏せた。そして、エヴァンドロと会釈をかわす。
(ここに来ている呪いと、陛下への呪いは同じ術者がかけているのよねぇ……)
エヴァンドロとシア。ふたりに呪いを送りつけているのは同一人物だ。だけど、シアを呪うことに、なんの意味があるのだろう。
考えてはみるけれど、答えは見つかりそうになかった。
* * *
ふぅとエドは大きく息をついた。
彼が毎回離宮の前を通りかかるのは、ヴィニーシアの様子をうかがうためだ。
だいたい同じぐらいの時間になるように政務の予定を組んでいる。
(――なにをやっているんだろうな)