ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!~10回殺され追放されたので、今世は自由気ままな人生を満喫してもいいですよね?~
「殿下。瘴気を祓うことができ、治癒魔術で傷を治すことのできる私が、本物の聖女だとおっしゃったのは殿下ではありませんか?」
こちらを責めるような色が、ジェルトルーデの言葉に混ざっていたのは気のせいだろうか。いや、気のせいではない。
「お前が、本物の聖女かどうか疑わしくなってきた。俺は、お前にだまされたのかもしれないな」
「――なっ、殿下っ!」
傷口の治癒がまだなのに、ジェルトルーデは、ジュスランの手を放り出した。
どういう意味なのかと、彼女は勢いよく身を起こす。
「おい、まだ治療は終わってないぞ」
「し、失礼いたしました」
じろりと見下ろしながら言ってやれば、彼女は慌てて治療に戻った。本当に、傷を塞ぐだけのことなのに、どこまで時間をかければいいのだろう。
「ヴィニーシアがいなくなって以来、魔物の出没も増えている。お前ら、どうにかしろ――この際、ポーションを作ることしかできない偽の聖女でもなんでもいい。俺が最前線に立たなければならない状況なんておかしいだろう」
どうにかしろと言われても、相手が困るであろうことはまったく考えていない。
こちらを責めるような色が、ジェルトルーデの言葉に混ざっていたのは気のせいだろうか。いや、気のせいではない。
「お前が、本物の聖女かどうか疑わしくなってきた。俺は、お前にだまされたのかもしれないな」
「――なっ、殿下っ!」
傷口の治癒がまだなのに、ジェルトルーデは、ジュスランの手を放り出した。
どういう意味なのかと、彼女は勢いよく身を起こす。
「おい、まだ治療は終わってないぞ」
「し、失礼いたしました」
じろりと見下ろしながら言ってやれば、彼女は慌てて治療に戻った。本当に、傷を塞ぐだけのことなのに、どこまで時間をかければいいのだろう。
「ヴィニーシアがいなくなって以来、魔物の出没も増えている。お前ら、どうにかしろ――この際、ポーションを作ることしかできない偽の聖女でもなんでもいい。俺が最前線に立たなければならない状況なんておかしいだろう」
どうにかしろと言われても、相手が困るであろうことはまったく考えていない。