ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!~10回殺され追放されたので、今世は自由気ままな人生を満喫してもいいですよね?~
時々、エヴァンドロから使いが来る程度で、この宮を訪れる人なんてほとんどいない。
でなかったら、庭園の前に作ったハーブ園のハーブを分けてもらいたいという人かも。どうやら、地味な格好でハーブの手入れをしているシアは使用人に見えるようで、離宮の主に気づかれないようこっそり分けてほしいと頼まれたことが何度かある。
「はーい、お待たせし――」
扉を開いたところで、シアは固まった。予想だにしていなかった人達の姿がそこにあったからだ。
(……どうして)
真っ先に脳裏に浮かんだのは、その言葉であった。
どうして、なぜ。なぜ、この人達がここにいるのだろう。
「会いたかったよ、ヴィニーシア」
かつて父だった人の唇が、嫌な形に弧を描く。シアは背筋がぞくりとするのを覚えた。
「気が利かないわね、私達をいつまでここに立たせておくつもり?」
上から目線でぴしゃりと言い放ったのは、妹。身体から力が抜けていくような気がする。
(また、殺されるの……?)
逃れることができたと思っていた。運命は、とうとうシアの手を離してくれたのだと思った。
でなかったら、庭園の前に作ったハーブ園のハーブを分けてもらいたいという人かも。どうやら、地味な格好でハーブの手入れをしているシアは使用人に見えるようで、離宮の主に気づかれないようこっそり分けてほしいと頼まれたことが何度かある。
「はーい、お待たせし――」
扉を開いたところで、シアは固まった。予想だにしていなかった人達の姿がそこにあったからだ。
(……どうして)
真っ先に脳裏に浮かんだのは、その言葉であった。
どうして、なぜ。なぜ、この人達がここにいるのだろう。
「会いたかったよ、ヴィニーシア」
かつて父だった人の唇が、嫌な形に弧を描く。シアは背筋がぞくりとするのを覚えた。
「気が利かないわね、私達をいつまでここに立たせておくつもり?」
上から目線でぴしゃりと言い放ったのは、妹。身体から力が抜けていくような気がする。
(また、殺されるの……?)
逃れることができたと思っていた。運命は、とうとうシアの手を離してくれたのだと思った。