ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!~10回殺され追放されたので、今世は自由気ままな人生を満喫してもいいですよね?~
あの人達にとって、シアは利用すべき道具でしかなかった。十回もいらない存在とされ続け、十分理解していたはずなのに、改めて突き付けられて胸がずきずきとした。
「それに、謝らないといけないことがある――シア」
愛称で呼ばれて、シアは顔を上げた。先程の驚愕がよみがえってくる。
今まで、エヴァンドロの顔を真正面から見たことはなかった。
執務室に呼ばれて顔を合わせた時は、呪われているから顔を見るなとエヴァンドロに言われていたし、遠目に会釈をかわすだけの関係でしかなかったから。
――だけど。
シアを引きはがした時の力強い腕。背後にかばってくれた時のたくましい背中。
(どうして……なんで、なんで、陛下が)
エヴァンドロとエドが同一人物であると、わかっているのに気持ちがついてこない。いや、本当に同一人物なのだろうか――他人の空似かも。だって、世の中に似ている人は三人いるというし。
「なんだよ、その顔は」
シアの茫然としている顔を見て、彼はにやりと口角を片方だけ上げる。砕けたその口調――覚えがある。それでも――まだ、シアは信じられなかった。
「ベラの店で何度も会っただろ?」
「それに、謝らないといけないことがある――シア」
愛称で呼ばれて、シアは顔を上げた。先程の驚愕がよみがえってくる。
今まで、エヴァンドロの顔を真正面から見たことはなかった。
執務室に呼ばれて顔を合わせた時は、呪われているから顔を見るなとエヴァンドロに言われていたし、遠目に会釈をかわすだけの関係でしかなかったから。
――だけど。
シアを引きはがした時の力強い腕。背後にかばってくれた時のたくましい背中。
(どうして……なんで、なんで、陛下が)
エヴァンドロとエドが同一人物であると、わかっているのに気持ちがついてこない。いや、本当に同一人物なのだろうか――他人の空似かも。だって、世の中に似ている人は三人いるというし。
「なんだよ、その顔は」
シアの茫然としている顔を見て、彼はにやりと口角を片方だけ上げる。砕けたその口調――覚えがある。それでも――まだ、シアは信じられなかった。
「ベラの店で何度も会っただろ?」