ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!~10回殺され追放されたので、今世は自由気ままな人生を満喫してもいいですよね?~
 エドはやっぱりエドなのだと、その言葉に安堵したような気がした。シアの身体のことを心配してくれている。

「髪が黒く染まるからですか? 体内に取り込むとどうしてもそうなるんですよね。浄化が終われば、元の色に戻るから問題ありませんし――この王宮にかけられている呪いは複雑で、元凶を探るのに時間かかっちゃったんですけど」

 呪いを解くこと自体は、シアにはさほど難しいことではない。問題は、どこで、誰がそれを生み出しているのかということ。
 シア自身、想定外のところだったものだから、探り出すまで時間がかかってしまった。

「そうか。では、その礼」
「それもいりません。家賃だと思ってください。あんなに立派な家をお借りしているので」

 慌ててエドの言葉を遮った。
 くすくすと笑いながらシアは言う。家というには少しばかり離宮は広すぎるような。でも、ただで住むところを借りているのには間違いない。

「――だが」

 そう口を挟んだ人物の顔を見て、シアは目をぱちくりとさせた。

「あ、アキさんだ」
「そうですが?」

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