ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!~10回殺され追放されたので、今世は自由気ままな人生を満喫してもいいですよね?~
「今まであなたを苦しめてしまったお詫びに、私の加護をあなたに――いえ、あなたの望む国に与えることにしましょうか」
「加護を私の望む国に?」

 ええ、と女神はまた微笑む。神々しい微笑み――って、女神なのだから当然か。

「女神様の加護を得ると、どうなるのでしょう?」
「魔物の存在を遠ざける結界を、あなたの望む国に張り巡らせましょう。結界の外で生まれた魔物が、中に入ってこられなくなるように」

 つまり、セアルド王国に張られている結界と同じようなものか。
 結界の中は浄化されているから、瘴気の発生はごく最小限に抑えることができる。発生した瞬間、浄化されていくからだ。
 それでも時折たまってしまうことがあって、そういう時に聖人聖女が駆り出されて浄化するのだ。

「それなら、この国にお願いします。国王エヴァンドロの治める国に――ここでの生活が気に入っていますから」

 そう言うと、女神はまたもや微笑んだ。

「ええ、では――私の加護をこの国に」

 魔物がいなくなれば、冒険者達の仕事も少しは楽になるはずだ。

「あ、でも――セアルド王国の結界は、どうなりますか?」

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