ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!~10回殺され追放されたので、今世は自由気ままな人生を満喫してもいいですよね?~
時々見かけた元婚約者の姿を思い出す。黒く染まってしまった姿を恥じているのか、いつもうつむき加減だった。だが、公の場に出さないのならそれでもいいだろう。
ヴィニーシアは祠に、ジュスランの隣に立つのにふさわしい娘を隣に置けばいい。
「もういい。俺ひとりでやる」
「ジュスラン様!」
追い縋ってくるジェルトルーデの声も、今は煩わしく感じた。
ヴィニーシアとの婚約を破棄した頃は、ジェルトルーデこそが真の聖女だと信じていたのに。
まったく、どいつもこいつも腹が立つ。ジュスランのことをだましていたくせに、ジェルトルーデも図々しい。
責任転嫁をすることにかけては、ジュスランはやはり天才的であった。
ジュスランは聖女と婚約しなければならないのだから、真の聖女と信じ込んだジェルトルーデと婚約したのはしかたのないことなのだ。
エクスレイ家の者から話を聞けば、国王エヴァンドロはヴィニーシアが望まない限り、離宮から出すつもりはないという。
――それならば。
国王を挿げ替えてしまえばいい。
ヴィニーシアは祠に、ジュスランの隣に立つのにふさわしい娘を隣に置けばいい。
「もういい。俺ひとりでやる」
「ジュスラン様!」
追い縋ってくるジェルトルーデの声も、今は煩わしく感じた。
ヴィニーシアとの婚約を破棄した頃は、ジェルトルーデこそが真の聖女だと信じていたのに。
まったく、どいつもこいつも腹が立つ。ジュスランのことをだましていたくせに、ジェルトルーデも図々しい。
責任転嫁をすることにかけては、ジュスランはやはり天才的であった。
ジュスランは聖女と婚約しなければならないのだから、真の聖女と信じ込んだジェルトルーデと婚約したのはしかたのないことなのだ。
エクスレイ家の者から話を聞けば、国王エヴァンドロはヴィニーシアが望まない限り、離宮から出すつもりはないという。
――それならば。
国王を挿げ替えてしまえばいい。